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荒れ相場を乗り切るための心理学講座 第6回「株はまだ、売るな。」

もうパニックになんてならない!
荒れ相場を乗り切るための心理学講座
第6回「株はまだ、売るな。」

木田 知廣/作

「ビールは一杯目がうまい」ので株を売ってしまう?

荒れ相場を乗り切るための心理学講座

「そろそろ、『売り時』ですよね?」セミナーで質問されることが、最近多くなっています。

たしかに、今年の3月に7000円を切ろうかという水準だった日経平均株価も、いまは9000円台半ば。わずかな期間に35%も値上がりしているわけで、良いタイミングで投資をできた人は、売るタイミングをワクワクしながら待ちこがれていることでしょう。なにせ、過去2年にわたって市場に痛めつけられてきたので、このチャンスを逃すことなく儲けを確定させたくなるのは人情というもの。スッパリと売って、儲けたお金で飲みに行きましょう! 暑い季節のビールは最高!! と言っていると、株の玄人筋から、嗤われてしまうかもしれません。

「あーあ、利食いが早すぎるって。これから儲けを伸ばしていかなくてどうするの。全くシロウトは……」そう。株で儲けを出せるのは、損切りをしっかりしながら、焦らずに儲けを延ばしていける人。たかだか35%ぐらいの値上がりで満足せず、5倍10倍の儲けが出るまで株を売るのを我慢できるかが勝負の分かれ目です。

「え?。そうは言っても、売りたくなっちゃったんだから、しょうがないじゃん」

ぼやきながら飲むビール、さっきまではあれほどおいしかったのに、なんだか苦い味ばかりが舌に残ります……なんていう思いをしないためにも、利益がでたら一刻も早く売りたくなってしまうという心理の背後にある、「メカニズム」をまずは徹底解剖してみましょう。

というのは、このようなワナに陥いるのは、あなただけではなくって、あらゆる人に共通な心理状態なのです。その中で勝てる投資家というのは、「敵を知り、おのれを知らば百戦危うからず」と、自分の心理の動きを知悉したうえで、行動をコントロールできる人。その第一歩として、ごく簡単な例から、心のメカニズムを解き明かしてみましょう。題して、「ビールは一杯目がうまい」の法則。実際、仕事帰りのビールはおいしいですよね。とくに、暑い季節に喉ごしを楽しみながら飲む一杯目は最高! 二杯目は? もちろんおいしく飲めますが、一杯目ほどじゃないかな……そして、三杯目、四杯目と杯を重ねていくうちに、お腹が張ってきちゃったよ、そろそろ日本酒飲みたいなー、と、ビールの楽しみは徐々に減っていきます。

これを株に当てはめると?

そうですね。最初にちょっとでも利益がでたときには、最高に嬉しいものですが、その後順調に株価が伸び続けていったとしたら……もちろん、嬉しいことは嬉しいのですが、株価の伸びに反比例して、うれしさの伸びは鈍っていくもの。ついには、ビールから日本酒に切り替えたように、せっかく儲けが伸びている株を売ってしまうという行動にでるわけです。かくして、「シロウトは利食いが早い」のワナに、見事にはまってしまいました。


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