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2016-11-07

全国の医療・介護従事者を繋ぐクラウドサービス提供で社会貢献──株式会社カナミックネットワーク 代表取締役社長 山本 拓真

株式会社カナミックネットワーク
証券コード 3939/東証マザーズ

代表取締役社長
山本 拓真 Takuma Yamamoto

先進国の中で最も早いピッチで、超高齢社会へと移行しつつある日本。国はその到来に向けて「地域包括ケア」体制の構築を推進しているが、自治体や医療・介護事業者などが円滑な連携を行っていくうえでは、情報の共有化や密な意思疎通が不可欠。クラウドサービスを通じて、そのプラットフォームを提供しているのがカナミックネットワークだ。

取材・文/大西 洋平 写真撮影/和田 佳久

医療・介護分野で働く人が、組織や職種を超えて繋がる


──2016年9月14日に東京証券取引所のマザーズ市場へ新規上場したとのことですが、御社が手掛けているビジネスについて簡単にご説明願います。

山本 社名の由来が「KAIGO」と「DYNAMIC」という2つの言葉であるように、当社は「介護」を「生き生きと活性化させる」ための「ICTネットワーク」を提供している会社です。医療や介護の分野で働く人たちが組織や職種の枠を超えてリアルタイムで情報を共有したり、コミュニケーションを図ったりできるICTプラットフォーム「カナミッククラウドサービス」を中心に事業を展開しております。

 競合他社のサービスは個別の医療施設や介護施設などからの受注に応じて孤立した状態で構築されるクライアントサーバー型であるのに対し、当社は異なる組織や職種を統合したクラウド型となっており、国内では他に例を見ません。そして、1階層の介護業務システムと2階層の情報共有システムという2階建て構造になっているのも大きな特徴です。

 まず、1階層は地域包括支援センターやケアマネージャー、介護サービス事業者が組織ごとに個別で導入します。一方、2階層は自治体や医師会などが導入を決めるため、地域全体に“面”での普及を図ることが可能です。その点についても、クライアントサーバー型のサービスに対する優位性であると言えるでしょう。国は地域全体で高齢者の生活をサポートする「地域包括ケア」の構築をめざしており、それをクラウドによって支えることが当社の経営理念となっています。

ストック型のビジネスで、着実に増収増益を達成


──クラウド型というビジネスモデル自体に大きな強みがあるわけですね。他にどのような特色がありますか?

山本 当社は粗利が9割近くにまで達するストック型のビジネスを基本としており、「前年度末の月額売上×12カ月」が翌年度の売上基礎として積み上がっていくことから、これまで着実に増収増益を達成してきました。加えて、当社の医療・介護連携クラウドサービスは東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)との共同研究で開発されたものであることも大きな強みです。「地域包括ケア」の実証事例として2009年から千葉県柏市で進められてきた「柏モデル」の中で構築され、相応の実績やノウハウを有しています。

 サービスの内容について説明しますと、医療・介護連携クラウドでは患者様ごとにネットワーク上に部屋が作成されており、その人を担当している関係者しか入室できません。部屋のトップ画面では、患者様の状態変化の把握やケアレポートの閲覧、お薬手帳など連係情報のチェックが可能です。介護業務クラウドでは営業管理や帳票作成、医療・介護保険請求、給与計算、債権管理、経営分析といったラインナップを提供し、事業の運営を全面的にサポートしてきました。

 また、当社では子育てクラウドも提供しています。子育て支援アプリを通じ、自治体と保護者をつなぐ情報配信や電子母子手帳機能を拡張した子どものブログ機能、保護者同士のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)機能などを展開中です。さらに、医療・介護の専門職向けに特化したインターネット広告配信サービスにも手を広げています。

3つの成長戦略を推進し、さらなる飛躍をめざす


──今後については、どのような成長戦略を掲げているのでしょうか?

山本 日本の人口構造から見て、すべての団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となる2025年頃から医療・介護業界の市場規模は加速をつけて拡大するものと思われます。そして、65歳以上が全人口の約40%に達する2060年に向けて、45年間にわたって市場が広がり続けていくのは間違いないことでしょう。当社はこうした超高齢社会を支えるプラットフォームとなるべく、医療・介護・子育て業界におけるクラウドサービスのナンバーワンをめざしてまいります。

 過去4年間(2011〜2014年)における当社の業績は、外部環境の成長性指標と比較して高い伸びを示してきました。今後についても、3つの成長戦略を掲げて一層の成長を追求します。そのうちの1つは、無料ユーザーから有料ユーザーへのシフトを促すこと。前述したように、当社のクラウドは2階建て構造のサービスを提供しています。

 2階層の情報共有プラットフォームは地域全体に導入され、そのエリアの医療・介護従事者なら連携情報を無料で利用できます。そこで、日常の業務で利便性を体感していただいたうえで、1階層である介護業務システムのリプレイス(他社製品から当社製品への乗り換え)を促し、国内シェアの拡大を推進していくのが第1の成長戦略です。

 第2の成長戦略は、インターネット広告事業への注力です。インターネット広告は市場規模が拡大の一途を辿っており、その中で当社は独自性の高い医療・介護特化型媒体としての地位確立を図ってまいります。第3の成長戦略としては、ビッグデータやIoT(モノのインターネット接続)の活用です。情報の蓄積や分析を進めつつ、それをいかに有効活用し、どのようなかたちでAI(人工知能)化へと結びつけていくかが大きなカギとなります。これらの戦略を推し進め、各種サービスが互いに相乗効果をもたらしながらの成長をめざします。

──株主還元に関しましては、どういった方針を定めていますか?

山本 2016年9月期の配当につきましては、東証マザーズ市場への上場を記念して1株当たり30円の記念配当を実施しました。今後は利益成長を遂げていく中で、株主の皆様への還元策としての普通配当に関しましても前向きに検討していきたいと考えております。
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