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2016-12-27

オンライン広告とふるさと納税支援サイトの運営で急成長──株式会社アイモバイル 代表取締役 田中 俊彦

株式会社アイモバイル
証券コード 6535/東証マザーズ

代表取締役
田中 俊彦 Toshihiko Tanaka

PCやスマートフォン画面に表示される広告の特徴は、ユーザーが欲している商品・サービスの広告に絞れること。2007年創業のアイモバイルは携帯電話の時代からオンライン広告を手がけており、この分野で豊富なノウハウを蓄積している。成長のためにあえてマザーズを選んだと言う田中俊彦社長に事業内容と成長戦略を聞いた。

取材・文/山本 信幸 写真撮影/和田 佳久

オンライン広告の分野で多角化を図る


――オンラインに特化した広告代理店という解釈でいいのでしょうか。

田中 その解釈も間違いではありません。従来の広告代理店は対面や電話でメディアとつながっていますが、私たちはオンラインで一元管理をしています。オンライン広告代理店、より正確に表現すればオンライン・メディアレップ(一次代理店)なのでしょう。

――どのような事業を展開しているのですか。

田中 「インターネット広告事業」が中心です。主なサービスはアドネットワーク関連事業、広告代理事業、アフィリエイト事業、その他の事業に分けられます。6期まではメイン事業であるアドネットワーク関連事業のみを手がけ、7期目(2015年7月期)から事業の多角化を図りました。

――アドネットワークとはメディア(広告媒体)となるウェブサイトを多数集めて形成する広告配信ネットワークのことですね。

田中 当社のアドネットワークはスマートフォン・タブレット・PCに対応しており、広告を出稿する広告主と広告を掲載するメディアのマッチングを行います。国内最大級の約26万のメディアが登録されており、1,000社を超える企業に利用していただいています。

 ここで培った技術や顧客基盤を、成功報酬型広告サービスのアフィリエイト事業、第9期(16年7月期)に立ち上げた動画広告事業、DSP(複数の広告枠の広告効果を最適化するプラットフォーム)事業へ展開し、足元で単月黒字を確保しています。

――最近は動画広告を良く目にします。

田中 当社はスマホのAndroidとiOS向けに展開しており、まさにこれから伸びていく分野でしょう。広告動画を制作するのはアプリデベロッパーで、当社のSDK(ソフトウェア開発に必要なツール一式)を使います。スマホは画面全体に動画を表示することができるため迫力があり、かなり視聴されていることが数字で示されています。

――ユーザーは動画広告を見たいものなのですか。

田中 そこには工夫があります。例えばアプリゲームのライフゲージ(残りの体力)が無くなると、ユーザーは30分休まなければならないとします。この時15秒の動画広告を視聴するとすぐにライフゲージが回復してゲームが続けられるのなら見ますよね。また動画広告を見て、こちらも面白そうと思えば遷移してもらえます。動画広告配信のノウハウを持たないゲーム会社などから多くの引き合いをいただいています。

B to C事業としてふるさと納税に着目


――その他の事業には、どのようなものがありますか。

田中 B to C事業としてふるさと納税支援サイトの「ふるなび」を14年7月から運営しています。ふるさと納税額は2015年に1,653億円(総務省調べ)となりました。16年は1.5倍程度に伸びたそうなので17年は3,000億円超えを予想しています。「ふるなび」は12月に全面リニューアルを行い、「ふるさと納税」に関する情報ポータルサイトとして、より充実したコンテンツで構成しています。現在74(16年12月9日現在)の市町村と提携していますが、将来的には500市町村にまで拡大したいですね。

――大手のふるさと納税支援サイトとしては後発です。どのような差別化を図っているのですか。

田中 当社にしかできないサービスを展開する必要があります。例えば「ふるなびポイント」は「ふるなび」上で対象の自治体に寄附をしていただくことで、寄附金額の半額分のふるなびグルメポイントが貯まるサービスです。ポイントを使って自治体とゆかりのある提携レストランで食事ができます。高額寄附者向けのふるさと納税代行サービス「ふるなびプレミアム」も始めています。

――多角化を図った結果、売上高はどのように変化しましたか。

田中 その結果、連結売上高は15年7月期で前期比50%増の150億円を達成し、16年7月期は148億円となりました。17年7月期は149億円と予想しています。

無借金にこだわらず積極的に成長投資


――成長戦略を教えてください。

田中 既存事業のアドネットワーク事業の売上拡大を目指します。20年に約1,149億円市場になると予測されているスマホ向け動画広告配信事業では再生回数国内1位を目指します。また、ウェブサイトの閲覧履歴データを基に高速でネット広告の取引を行うRTBの市場規模は、17年で1,023億円と予測されており、DSP事業が新たな収益源になると期待しています。

――上場により調達した資金は何に使いますか。

田中 当社は無借金経営で利益剰余金が50億円程度あります。上場によりさらに40億円ほどの資金が調達できたので、私たちが持っていない分野のいい案件があればM&Aに使いたい。ただ動画広告やふるさと納税サイトのように、自分たちで開発して育てることにも力を入れていきます。

 私は「成長」に興味を持っています。「なぜふるさと納税支援サイトを作ったのですか」と聞かれると、いつもこれから「成長する市場だから」と答えています。今後も広告という枠にとらわれず、成長する事業を時間とコストをかけて作っていきたい。

 無借金経営にこだわるつもりはありません。低金利で資金調達ができる環境なので、必要であればレバレッジを掛けて事業を拡大することも検討します。
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