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2016-12-27

駐車場の未利用空間を利益を生む空間に変える──株式会社フィル・カンパニー 代表取締役社長 能美 裕一

株式会社フィル・カンパニー
証券コード 3267/東証マザーズ

代表取締役社長
能美 裕一 Yuichi Nomi

コインパーキング上部の未利用空間に店舗を造るという独自のアイデア「空中店舗フィル・パーク」は、駐車場オーナーも、入居テナントも、地域住民も喜ぶ「三方良し」のビジネスモデルとして受け入れられている。上場を機に一段の飛躍を目指すフィル・カンパニーの能美裕一社長に事業の強みと成長戦略を聞いた。

取材・文/山本 信幸 写真撮影/和田 佳久

コインパーキング自体に集客力がある


――フィル・カンパニーとは、どのような会社ですか。

能美 コインパーキング(時間貸し駐車場)や月極め駐車場に建物を組み合わせた土地活用を提案している会社です。多くのコインパーキングでは、上部空間が利用されていません。そのため夜間は特に暗い感じがしますよね。そんな未利用の空間に、コインパーキングを残したまま店舗やオフィスとして使える「フィル・パーク」を建てることで、空間に息吹を与えることができます。コインパーキングは「公共の用に供する場所」のため、それ自体に集客力がある上、「フィル・パーク」は店舗が中心になるため地域に人を集める効果も期待できます。

 オーナーにとって「フィル・パーク」はコインパーキングか建物かの二者択一ではなく、その両方をミックスさせた新しい選択肢で、早期の投資回収を実現できる企画と初期テナント誘致保証など、付加価値の高いサービスであることが特徴です。また、商売を考えている人は新しい事業場所を確保でき、その地域の方々には出会いや交流の場が生まれるという「三方良し」のビジネスでもあります。

――繁華街から離れた住宅地にぽつんとあるコインパーキングも目立ちます。そんな場所でも商売になるのですか。

能美 住宅地にシェアハウスを建てたり、小規模保育園を誘致した例があります。また美容室のように、美容師にお客さまが付く商売は、駅から多少離れていても成り立ちます。どんな場所でも必ず成り立つ商売があるのです。

最大効率を追求せず最適な空間を作る


――フィル・カンパニーの子会社にフィル・コンストラクションがあります。どのような役割分担なのですか。

能美 フィル・カンパニーは主に営業・企画を担当し、フィル・コンストラクションは設計・建築を担当しており、企画・デザイン・プロジェクトマネジメント業務、開発調査業務、設計・監理業務、工事請負業務、事業コンサルティングや初期テナント誘致業務等をワンストップサービスで提供しています。

 当社の強みは2社で連携しながらオーナーとテナントのニーズをマッチングさせた空間作りができることです。そのポイントは①コインパーキング収入を維持できる空間作り、②テナントの賃貸需要が高い空間作り、③テナントが利益を出せる空間作り、④諸法令と収益性を同時に満たす建築企画作りにあります。

 例えば建物には柱が必要なので、普通に建てると駐車スペースが大幅に削られてしまいます。しかし当社には積み上げてきたノウハウがあるため、車の出入りのしやすさを犠牲にせず、駐車場収入を維持できる提案ができます。また2階・3階の店舗にはお客さまが入りづらいイメージがありますが、デザイン性を高めることなどにより建物自体が看板となり集客を図ることができます。1階に駐車場がある商業施設(自動車は危険物と見なされる)は厳しい規制を満たさなければならないため、すべてのポイントを同時に満たすことは、かなり難しい作業なのです。

――オーナーは空間の利用効率の高さを求めるのではないですか。

能美 当社は「スペースオンデマンド」という考え方を提唱しています。これは「規制の範囲内で建てられる最大の建物を造る」というこれまでの土地活用の考え方を転換して「オーナーの所有地の需要に応じた最適な空間づくりを行う」ということです。一つの最適解は1階が駐車場で、(メンテナンスコストの高い)エレベーターが不要な2階・3階の建物です。最も投資効率がいいですね。

全国6万カ所の大半が未開拓の潜在市場


――コインパーキングは全国にどのくらいあるのですか。

能美 全国で6万カ所を超えている(日本パーキングビジネス協会調べ)といわれています。直近10年で2倍に増えました。潜在市場規模は5兆円(「空中店舗フィル・パーク」の平均単価8,000万円×6万カ所)と見積もっています。

 それに対し当社は0.2%しか開拓できていないため、拡大余地は十分にあります。累計プロジェクト数は14年11月期51件、15年11月期72件、16年11月期は第3四半期(16年8月)までで契約済みのものも含めて90件です。エリアは東京・埼玉・神奈川の首都圏を中心に名古屋、京都・大阪・兵庫の関西圏、福岡にも実績があります。今後の進出対象は全国のコインパーキングがある場所です。みずほ銀行、横浜銀行など金融機関とのビジネスマッチングが進んでいることから、今後の契約増が期待できます。

 空中店舗という活用方法は時代に合っていて、コンパクトサイズのため投資資金を抑えられ、投資回収期間も5~10年と短く効率がいいという評判が広がって、一般の土地オーナーからの引き合いも増えています。

――ライバル会社はあるのですか。

能美 新たなマーケットを開拓したため現時点では競合する会社がありません。
 小規模なコインパーキングに空中店舗を建ててテナント誘致を行うノウハウを持つ会社はなかなかないと思います。

――業績の推移を教えてください。

能美 14年11月期の連結売上高は4億7,700万円/経常利益670万円、15年11 月期は同14億9,300万円/同1億5,400万円でした。16年11月期は同16億5,000万円/同2億2,000万円を予想しています。

――株主還元についてはどうですか。

能美 当面は利益を成長投資に充てて次の飛躍につなげたいと考えています。もちろん株主とのつながりも大切に考えているので、配当時期は常に検討しています。
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