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2017-03-27

美容サロン向けICT事業の深掘りと横展開で成長を図る──株式会社ティビィシィ・スキヤツト

株式会社ティビィシィ・スキヤツト
証券コード 3974/JASDAQスタンダード

代表取締役社長
安田 茂幸 Shigeyuki Yasuda

固定客が8割という美容サロン業界に変革が起きている。美容サロン予約サイトの登場により、固定客の流動化が起こっているのだ。しかしティビィシィ・スキヤツトの安田茂幸社長は、自社のICTシステムを活用する顧客にとっては、むしろチャンスと捉えている。その自信の理由と、同社の成長戦略を聞いた。

取材・文/山本 信幸 写真撮影/和田 佳久

IPOに向けて「断捨離」を行い、不採算事業から撤退


――ティビィシィ・スキヤツトは、2つの会社が合併して生まれた会社ですね。

安田 ティビィシィは栃木県を中心に中小企業向けに会計サービスの提供や経営支援を展開している会社でした。1969年に創業し、77年に合併によりティビィシィに商号変更しました。この事業は約50年続いています。スキヤツトは美容業界に特化したICTサービスを全国展開している会社で、89年に設立されました。こちらは約30年の実績があります。両社は91年3月、合併によりティビィシィ・スキヤツトに商号変更をしました。

 また2004年に設立された介護付き有料老人ホーム(栃木、群馬、長野県に3施設がある)を運営するTBCシルバーサービスを、12年に完全子会社化しました。

――キヤノン販売(現・キヤノンマーケティングジャパン)に在籍していた社長がなぜティビィシィ・スキヤツトと関わるようになったのですか。

安田 私は大学卒業後、日本オリベッティ(現・NTTデータ ジェトロニクス)に入社し、その後キヤノン販売へ移りました。社内ベンチャーとしてスキヤツトが設立された時に参画しました。その後、他の事業を手がけるようになり一時離れていたのですが、ティビィシィ・スキヤツトの業容が悪化したためキヤノン販売を退社し、02年4月に当社に入社して再建に携わりました。再建のめどが付いたら自分で事業を興そうと考えていたのですが04年11月、社長に指名されました。

――上場の理由を教えてください。

安田 借金の返済が終わり、50年続いた会社の次の50年をどうするのかと考えた時、上場することにより会社の透明性を高め、事業の強化を図る必要があるという結論に達しました。

クラウド活用のPOSとアプリで顧客を高度に管理


――主力となる事業は何でしょうか。

美容サロン向けICT事業です。

 主力商品は14年11月にリリースしたPOS(販売時点情報管理)レジと連動した顧客管理・販売管理システム「Sacla(サクラ)」です。クラウドを利用したサロンPOSソリューションで、受付・レジ精算機能にとどまらず、顧客管理・分析、販売管理・分析など売上を伸ばすためのノウハウを満載しています。

 さらに16年2月リリースのスマートフォン向けアプリ「Salon Appli(サロンアプリ)」は、メンバーズカードと同じようにオリジナルデザインのアプリアイコンを作成できるため、サロンの独自性を打ち出すことができます。顧客のスマートフォンと「Sacla」を連動させることで、来店を促すプッシュ通知やクーポンの提供、デジタルカルテを使ったカウンセリングなどが行えます。プッシュ通知を上手に利用すると、顧客の来店サイクルを短縮したり、予約の閑散期に誘導することもできるのです。また新規来店顧客の定着率は1割弱と言われていますが、「Sacla」や「Salon Appli」を活用することで2割、3割に高めることも可能になるでしょう。

 美容ディーラー向けには顧客管理・販売管理システムの「i-SCAP EX」を提供しています。美容業界大手メーカーの物流ネットシステムとの連動も可能です。美容サロンとディーラーの両方にシステムを提供できるのは当社だけの強みですね。

美容サロンオーナーに経営支援サービスを提供


――美容室専用システムとディーラー向けシステムのシェアはどのくらいですか。

安田 全国の美容室は約24万店(厚生労働省調べ15年度末時点)あり、個人店を除く法人経営は約5万店あります。そのうち美容室専用システムが導入されているのは約2万店。当社のシステムは5,700店に採用されており業界首位のシェア(約30%)です。それでもまだ約3万店が未開拓のため、10年以内に導入店舗を1万店に伸ばす計画です。

 美容ディーラーは全国に約1,600社あり、システム導入の対象は約800社。当社ユーザーは約210社でこちらもトップシェアです。

――美容サロンの大きな課題は何でしょうか。

安田 「ホットペッパービューティー」のようなサロン予約サイトが登場したことで、固定客が流出するようになりました。一方で先ほどお話したように、新規顧客が来店しても定着率が1割に満たないという悩みも抱えています。当社のシステムを活用することで、新規のお客さまの固定化、来店サイクルの短縮、物販の促進といった課題を解決することができます。ICTの活用により美容マーケットは今後、拡大していくでしょう。

 一方で美容サロンは人手が足らず、オーナーは経営や経理・税務、社員の福利厚生まで手が回らないという現実もあります。当社の中小企業向けビジネスサービス事業を活用していただくことで、経営課題を解決するワンストップサービスを利用していただけます。

 日本の中小企業で黒字決算となっているのは全体の30%程度(国税庁が発表した14年度分の黒字法人は33.6%)ですが、当社の顧客は60%が黒字決算です。適切なコンサルティングを提供できている証明といえるでしょう。

――ICT事業の横展開や配当計画について教えてください。

安田 今回の上場で得た資金は新たなシステム開発に投入する一方、ICTシステムを美容サロンと業態が似ているリラクセーション分野などに展開してく計画です。この業界は季節変動の影響を受けやすいので、ぜひ1年単位の業績に注目してください。配当性向は20%以上を目指します。
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