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2017-06-29

急速拡大する電子コミック市場で国内最大級のシェアを獲得──株式会社ビーグリー 代表取締役社長 吉田 仁平

株式会社ビーグリー
証券コード 3981/東証マザーズ

代表取締役社長
吉田 仁平 Jimpei Yoshida

電車内でマンガ雑誌を読んでいる人をほとんど見かけなくなった。それはマンガが衰退したのではなく、読む手段が雑誌からスマートフォンへ切り替わったためである。スマホへ電子コミック(マンガ)を配信する事業を主力とするビーグリーの吉田仁平社長に会社の強みと成長戦略を聞いた。

取材・文/山本 信幸 写真撮影/鈴木 康史

電子書籍市場は年平均成長率14%の成長市場


―― 電子書籍を利用する人が増えていることを実感しています。現在の市場規模と成長速度をどうとらえていますか。

吉田 当社は2006年に携帯電話向け「ケータイ★まんが王国」を開始しました。その時点では市場はじわじわと拡大していました。成長が加速したのは大画面で高精細なスマートフォンやタブレットが普及し、デジタルコンテンツやサービスの購入が一般化したころからです。当社では2011年にスマートフォン向け「まんが王国」を開始しました。

 ある調査(インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2016」)によると2015年から20年までの年平均成長率は13.6%で、市場規模は15年の1,584億円から20年の3,000億円に拡大すると予測しています。15年時点の市場構成はコミック81%、書籍が19%。今後もこの比率を保ちながら、コミックは電子書籍の主力コンテンツとして高い成長を実現していくでしょう。

―― 主力である「まんが王国」について教えてください。

吉田 スマホ比率90%以上の国内最大級のコミック配信サービスです。MAU(月当たりのサービス利用者数)800万人、ダウンロード数は単行本換算で累計6億冊、出版社・作家などのライセンサーとの直接契約合計1,800契約以上、マンガのみで5万タイトルをそろえ、常時2,000タイトル以上が無料で読めます。また電子コミックの取り次ぎとして、他の電子書籍運営会社にもコンテンツを提供しています。

――「まんが王国」は競合他社に対しどのような強みがあるのでしょう。

吉田 「まんが王国」は「知る人ぞ知る良作に出会える電子書店」という位置付けです。従来のマンガは雑誌に掲載されて人気が出ると単行本化されるという流れでした。この出版の仕組みの中で新しいコンテンツが多く生まれてきましたが、折からの出版不況で雑誌の部数が減少し、良作でありながら埋もれてしまう作品も多くあります。そのような良作を掘り起こし、ネットで多くの人に知ってもらう、読んでもらうという販売手法が、当社の特徴・強みです。この点が競合他社との大きな違いでもあります。

 知らない作品をいきなり有料で読むことには抵抗があるでしょう。そこで50ページ以上が無料で読める「じっくり試し読み」作品を2,000タイトル以上用意しているのです。書店で立ち読みをする感覚ですね。

取次・配信・広告制作を自社で完結する配信モデル


―― 売上の基盤となる課金はどのような方式ですか。

吉田 ポイント形式の月額課金方式です。月額課金は300円からの設定で、ユーザーは金額に応じたポイントを毎月受け取り、コンテンツを読むたびにポイントを消費します。ポイントを使い切ると次の月まで待つか、新たなポイントを購入します。ポイントを多く購入する会員、長期の会員を対象にしたボーナスポイントがもらえるキャンペーンなどを実施しています。その結果、平均在籍期間2年以上の月額有料会員という優良顧客基盤を保有しています。コアの顧客基盤は20代および30代の女性で、男女構成比は3対7。一般的な有料電子書籍利用者構成は6対4なので、未開拓な層を獲得できているといえるかも知れません。

―― 配信モデルにも特徴がありますね。

吉田 一般的な配信モデルは作品を電子取次と呼ばれる問屋から仕入れ、配信会社を通じ配信し、アプリや通信事業者経由でユーザーに届くという形式ですが、当社は取次の主なファンクション(機能)であるファイル制作や契約管理、さらにはマンガを読むためのビューア開発、広告制作業務などを自社で行うことができます。そのため事業としては利益を出しやすいモデルです。また社内にノウハウが蓄積されるため、それを他の部署と共有することで新たなビジネスを展開していくことができます。
 今後は出版社や作家と共同でオリジナル作品を展開していきたいと考えています。

クリエーターの発掘や社会貢献にもつながる2つの事業


――その他の事業として「ETOPICA(エトピカ)」と「FUNDIY(ファンディー)」があります。2つの事業について教えてください。

吉田 「ETOPICA」はイラスト分散型メディアです。イラストやマンガをコンテンツとして集客やメディア運営に役立てているお客さまに提供しています。ネット上で活躍するクリエーターの方々とのコネクションを作ることができたことが大きな収穫です。いろいろな才能を持つ方がたくさんいらっしゃいますね。

FUNDIY」はネットを通じて一般から資金を調達するクラウドファンディングです。手数料ビジネスのため売上げに対するインパクトは大きくはありません。過去の例では、漫画家が連載終了となった作品の続きを書くための資金調達をしたことがありました。ファンから資金が集まりマンガを最後まで描くことができた。現時点ではこのように関係者に喜んでいただければいいと考えています。ただ事業としてはスケール(利益を拡大)させるところに手間暇がかかります。2つの事業が業績に貢献するのは少し先になるでしょう。

―― 今後の展開について教えてください。

吉田 マンガコンテンツをベースにして、海外を含めた横展開を検討しています。今は「まんが王国」という出口しか持っていませんが、いずれいろいろな出口を持ち、企業のプレゼンス(存在感)を高め、継続的な成長を目指します。
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