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2018-07-17

新しい価値観で理美容業界に革新をもたらしたヘアカット専門店――キュービーネットホールディングス株式会社 代表取締役社長 北野 泰男

キュービーネットホールディングス株式会社
証券コード 6571/東証1部

代表取締役社長 北野 泰男
Yasuo Kitano

髪を短くしたいだけでも顔剃りや洗髪がセットで、平日はなかなか叶わないヘアカット。しかも休日は混雑しがち。こうした不満を払拭するヘアカット専門店を考案したのがキュービーネットホールディングス。同社の北野泰男社長に、事業の概要や今後の戦略などについて聞いた。

取材・文/大西 洋平 写真撮影/和田 佳久

カット専門の「QBハウス」を国内外で展開

――御社の店舗は駅ナカや商業施設などでよく見かけますが、改めて創業の経緯や事業内容についてご説明願います。

北野 従来の理容店のサービスはカット、顔剃り、洗髪がセットになっているうえ、待ち時間が長くなりがちでした。そこで、日本初のヘアカット専門店を創業者の小西國義が1996年11月に神田美土代町で開いたのが当社の始まりです。QBネットとは、10分、1,000円のヘアカット専門店「QB(クイックバーバー)ハウス」という独自のビジネスモデルを、インターネットを活用して多店舗展開するとの想いを込めたネーミングです。

 私自身は、学生時代、様々な国を旅行し、日本で提供されているサービスの質の高さを実感していました。その頃から日本独自のサービスを世界中に紹介する仕事に就きたいと考え始め、縁あって当社に入社しました。

――「日本独自のサービスを世界へ」という思いを10年以上も前から海外進出という形で具現化していますね。

北野 2002年からアジアを中心に海外進出していますが、当初から順風満帆だったわけではありません。当社のフランチャイズ店の看板が突然別ブランドに掛け替えられ、現地の法廷で争ったこともあります。こうした失敗は海外進出してみて初めてわかった貴重な経験であり、その教訓から直営方式の出店へと軌道修正しました。

 さらに、正面から取り組んでいったのが現地スタッフの教育です。日本で理容師や美容師は国家資格となっていますが、海外ではそうではないケースも少なくありません。そこで、日本から優秀なスタイリストを派遣し、現地での人材育成に力を注ぎました。すると、現地スタッフも自らの技術の上達を実感し、高い向上心を抱くようになったのです。

世界で最も多忙な都市で時間的価値を提供

―― 人材育成に注力した結果、2016年には米国への進出もスタートさせていますが、これはどのような戦略なのでしょうか?

北野 世界で最も忙しい都市といわれるニューヨークのマンハッタンに2店舗を開業し、さらにウォール街への出店も計画しています。周知の通り、ニューヨークは成熟した都市です。経済成長が著しいアジアの都市が過去の日本を彷彿させるなら、ニューヨークは東京の将来を映し出す都市だと考えています。マンハッタンだけで430店以上の理髪店、美容室を含めると1,000店舗以上がひしめき、世界で最も競争が熾烈です。だからこそ、当社サービスのさらなる向上を求めてニューヨークへの進出を決断しました。お陰様で現地での評判も上々で、口コミサイトで高い評価をいただいたことを機にお客様の数も急増しています。満足度の高さはチップの金額にも反映されており、スタイリストのモチベーションもさらに高まっているようです。

―― 今回のIPOの目的を教えて下さい。

北野 海外でパートナー企業を見つけたり、不動産を賃貸したりするうえでやはり信用力が極めて大事で、そのことがIPOを決めた理由の一つです。加えて、2020年頃から起こりうる日本の理美容業界の変化への布石という意味合いもあります。外食業界などと異なり、理美容チェーン店の獲得シェアは上位10社の合計でも市場全体の5%程度にすぎません。しかし、お客様がより高い質を求めていくなかで、統合・集約の動きの活発化が想定されます。我々がその中心的役割を担うためにも、知名度向上や体力強化が不可欠と判断しました。

高齢化社会の進行に対応した訪問理美容サービスも展開

―― 海外に展開していく一方で、他の業態にも手を広げていますね。

北野 その例として、店舗まで足をお運びいただくことが困難な介護福祉施設の入所者様や、医療機関に入院中の患者様のために提供する「QBハウスの訪問理美容サービス」があります。理美容設備を搭載したサロンカーで訪問して施術を行っており、ご希望に応じてヘアカットだけでなく、シャンプーや顔剃り、ヘアカラー、パーマなどのサービスも承っています。派遣するスタイリストは理容師・美容師免許のみならず、介護職員初任者もしくはホームヘルパー2級資格を取得しています。

―― 事業を拡大する上でスタイリストの確保や教育についてはどのように取り組んでいますか?

北野 現在、日本には185万人のスタイリスト(有資格者)が存在していますが、現役で働いているのは39%にすぎず、6割超は離職中です。数多くの指名客を獲得・維持するのは大変ですし、独立・開業には相応の予算がかかるのが実情だからです。その点、当社にはもともと指名制度がないので、いったん現役を退いていた人でも安心して働けますし、安定した生活を送ることが可能です。しかも、当社ではスタイリスト育成のために独自の研修制度「LogiThcut(ロジスカット)」を設けています。6カ月で必要技術を論理的に習得できるカリキュラムで、復帰希望のスタイリストのトレーニングの場ともなっています。

―― 株主還元についてはどういった姿勢で取り組んでいきますか?

北野 創業者引退後に筆頭株主が何度か交代し、その過程で負債が拡大したことから、ここ数年は財務体質の改善と教育投資を最優先としてきました。とはいえ、「サービスに国境はない」という我々の信念に共感し、中長期的に応援していただける株主の皆様の恩顧には、ぜひとも報いたいと考えております。当面は20%前後の配当性向を目標とした配当の実施を検討中です。
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