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2018-10-19

人手不足が深刻な物流の現場に不可欠な省力化・自動化を推進── ロジザード株式会社 代表取締役社長 金澤 茂則

ロジザード株式会社
証券コード 4391/東証マザーズ

代表取締役社長 金澤 茂則
Shigenori Kanazawa

eコマースの普及に伴い、物流や在庫管理の合理化・効率化が加速している。こうした時代の到来をいち早く予見して物流と在庫管理にITを持ち込み、オンリーワンのサービスを展開しているのがロジザードだ。同社の金澤茂則社長にさらなる成長戦略をうかがった。

取材・文/大西 洋平 写真撮影/和田 佳久

物流、在庫管理に関する一連の業務をITでサポート

── 事業内容についてご説明願います。

金澤 2001年の設立以来、当社は企業向けに「物流」と「在庫」を領域とした事業を展開しています。まず、クラウドWMS(倉庫・在庫管理システム)の「ロジザードZERO」では、倉庫の入荷から出荷、在庫管理まで、お客様の物流に関わる一連の業務をサポートしています。あらゆるOSやブラウザに対応する一方、無線ハンディターミナルで商品をバーコード管理し、リアルタイムで在庫・入出荷状況を確認できます。

 クラウド店舗在庫管理システム「POSぴたRBM」は専用機器ではなく、スマートフォンやタブレットで売上・入荷登録などの在庫データ更新作業を行えるサービスです。PC上の管理画面へのエクスポートも容易で、ソフトバンクのクラウドPOSと連携できるのも特徴です。さらに、クラウドオムニチャネルツールの「ロジザードOCE」は、実店舗やeコマース、テレビ通販といった複数の販路を展開する際に、販路間のデータ連係によって在庫を一元管理し、売り逃しや過剰在庫を防ぐことが可能です。

── どういった経緯で着想されたのでしょうか?

金澤 私は大学卒業後にアパレル業界に籍を置き、そこで最後に携わったのがアウトレット事業でした。衣料品の在庫とは、要するに売れ残りであって、価値が毀損していくものです。そこで、アウトレットで販売することでその価値を客観評価するとともに、在庫の処分を図ったわけです。在庫を上手く売りさばくことができればキャッシュフローが回っていく反面、逆に抱え込んでしまうと管理のためのコストもかさみます。在庫は収益の源泉であると同時に、経営にとってはリスクでもあり、その管理が極めて重要であることを痛感しました。

 アウトレット事業を通じて倉庫にも足繁く通っていたので、物流の仕組みも把握できましたし、ちょうどITが普及し始めた頃でしたので、最新のテクノロジーを活用した在庫管理に関するコンサルティングサービスを展開するため、当社を設立したのです。当時のアパレル業界における在庫管理は非常にアナログ的で、棚卸をすると帳簿の記載と実数との間に3割程度の食い違いが発生することも珍しくありませんでした。そのため、アパレル業界をはじめとして、在庫管理の合理化・効率化に対する潜在的ニーズは高いと見込んだわけです。

時代のニーズを先取りし、eコマースの普及で開花

── 当時の事業環境はどうでしたか?

金澤 少々早すぎた発想だったようで、事業化して軌道に乗せるまでは苦労の道のりでした。技術的にも当時はADSLが最速の通信回線で、しかも倉庫街までネットワーク網が整備されていないことも少なくありませんでした。また、在庫データは本来、社外秘であるだけに、信用力の高くない当社のようなベンチャーにとってはその点も顧客を開拓するうえでの高いハードルでした。

 しかし、2004年頃からeコマースが急速に普及し始め、インターネット上のモールに出店する販売業者が急増しました。その結果、商品の管理や物流業務の負担が増し、当社の物流・在庫管理サービスに対するニーズが顕在化したのです。そして、大手モールで当時トップの販売実績を誇っていたお客様にご利用いただいたのを機に、口コミで紹介の輪が広がっていきました。
 
 他社に先駆けてこの分野で基盤を築けたことも奏功し、当社はいち早く物流業務システムのクラウド化にも着手できました。特にeコマースでは、クラウドによる物流・在庫管理が重要となっています。通常の物品販売に比べて、売上に対する物流コストのウエートが高いため、合理化・効率化が大きな課題となっているのです。

── 業績も右肩上がりですね。

金澤 お陰様で11期連続の増収を達成し、2018年6月期は売上高が前期比25.4%増、営業利益は64.1%増となりました。クラウドサービスの売上が着実に積み上がっていることに加え、カスタム仕様などの開発・導入サービスでも需要が拡大しています。また、新規アカウント数も着実に増加を続けています。

中長期的な成長戦略に基づき、新たな技術に先行投資

── 2019年6月期の業績はどのように見込んでいますか?

金澤 中長期的な成長戦略に基づいた製品開発へ人的リソースを優先配分させていく方針で、3.1%の減収予想となっていますが、クラウドサービスの伸長によって増益の計画です。建設や医療・介護とともに人手不足が特に深刻化しているのが物流の分野で、今後も省力化・自動化がいっそう進んでいくのは必至です。そこで、当社は3つの新たな技術に関して自前で研究開発を進めています。

 その1つは、EFID(電子タグ)を用いた管理システムです。実用化されれば、バーコードスキャナなどを用いることなく、大幅に少ない人員で、入出荷・在庫の管理が可能となります。そして、2つ目は物流、在庫管理におけるRPA(ロボットによる操作業務の自動化)の導入です。3つ目は、倉庫などの設備内における入出荷作業にロボティクス技術を導入し、劇的な効率化を図ることです。さらに、リアルタイムな場所別在庫情報を活用したオムニチャネル機能についても開発中です。

── 配当などの株主還元については、どのように考えていますか?

金澤 今は成長戦略を遂行すべき局面であると捉えており、そのためにも利益を積極的に先行投資に回していく方針です。そして、中長期的な業績拡大を株式市場から評価していただく形で、株主の皆様の期待にお応えしたいと思います。
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