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2019-04-16

工業用塗料販売で国内トップクラスの実績を上げる生産財商社――オーウエル株式会社 代表取締役社長 飛戸 克治

オーウエル株式会社
証券コード 7670/東証2部

代表取締役社長 飛戸 克治
Katsuji Tobito

顧客に寄り添った営業体制と課題解決力で安定した事業基盤を維持し続けているオーウエル。創業から75年というタイミングで上場した理由と今後の成長戦略について飛戸克治社長に聞いた。

取材・文/小椋 康志 写真撮影/和田 佳久

様々な環境・条件で安定した塗膜品質を提供

── 御社の事業内容についてお聞かせください。

飛戸 当社は生産財商社です。工業用塗料販売で国内トップクラスの塗料関連事業を主として、センサーを中心とする電気・電子部品事業をグローバルに展開しています。設立は1943年11月なので、満75歳の会社です。事業別の売上構成比は塗料関連事業が約78%、電気・電子部品事業が約22%となっています。

 塗料関連事業で代表的なものは自動車ですが、私たちの身の回りにあるほとんどのものは、何かしらの形で塗装されています。塗料というのは半製品ですから、液体の状態では価値がありません。塗料や仕様を決定し、前処理、塗装、乾燥工程を経て、塗膜というフィルムになって初めて価値が出ます。まず、工程の入り口においては必要な物を、必要な時に、必要な分だけ供給するロジスティクスと、それを可能にする在庫管理機能が重要です。また、営業部門ではお客様と直接対話をしながら、日々の技術サポートを行っています。

 塗膜をつくる工程においては、塗料の配合や粘度、塗装機の霧化、吐出量、温度、湿度など、いろいろな要素をコントロールすることが必要になります。製品の不良というものは、感覚的にはある日突然出ますが、実際は徐々に変化しているはずです。その因果関係を一つひとつ確認しながら追いかけていくのが大変なところです。お客様の生産現場において、塗膜になるまでの各工程での技術サポートと日々発生する様々な課題の解決に寄与することが当社の存在意義です。

―― 同じ業態の競合先は海外にもありますか?

飛戸 海外ではほとんどありません。海外では塗装工程の管理をお客様か塗料メーカー、あるいはその両方がやっていますが、そこに関しては困っているケースが多いです。現場では塗料だけでなく、設備や機器などの要素も入ってきますが、それを1社で管理できる当社は、お客様にも塗料メーカーにも重宝されています。

── 電気・電子部品事業について教えてください。

飛戸 ホールICという磁気センサーを中心としています。現在は主に車載向けに採用されています。また、お客様のオフィスにおける蛍光灯、工場構内の水銀灯やメタルハライドの代替としてLED照明製品も提供しています。LED照明製品に関しては、組み込み市場や植物プラント向けに特化して、当社のブランドとして販売しています。

自動車向けで培った技術で幅広い業界をカバー

―― 特長や強みをお聞かせください。

飛戸 大きく3つあります。1つ目は安定した事業基盤です。約2,000社の仕入先と約3,000社の得意先があり、これらを国内45拠点、海外12拠点の事業所でサポートしています。幅広い業種と関わっているため、仮に何かの業界が不況でも違う業界でカバーでき、比較的安定した売上を維持できます。

 2つ目は長年培ってきた課題解決力です。両事業とも、自動車向けというのは高品質で厳しい水準が求められるため、そこで培った技術を他業界へ展開していけるところが強みです。

 3つ目が、お客様に寄り添った営業体制です。企画開発段階から設計、試作、製造を経て、市場に出てからのアフターフォローまで、幅広い工程での価値提供が可能です。

―― 今後の成長戦略を教えてください。

飛戸 1つが塗膜形成に関する課題解決力の向上です。自動車における塗装ラインはほぼ自動化されていますが、管理には人が介在しています。塗装というのは感性の世界ですので、どうしても人の関与は避けられません。そこにセンサーを導入するなどして塗装工程を合理化し、省人化を図っていきたいです。また、最近ではアジアを中心に塗装の品質向上に加え、効率化や環境問題に対する意識が高まっていますのでグローバル化を進めていきます。

 もう1つが、市場拡大を捉えたセンサー販売の拡大です。当社が持つセンサーやプラットフォームを活かして、製造現場環境の見える化を、塗装以外の工程にも応用させていきます。

 中長期的な成長イメージとしては、両事業の融合領域も伸ばしていきたいです。センサー販売を拡大し、塗装の効率や品質が向上することで、塗装請負の拡大が見込めます。

―― 業績の状況はいかがでしょうか。

飛戸 ほぼ計画通りに推移しています。対前年比では減益となっていますが、これは為替水準の動向が影響したのが要因です。売上高、利益ともに昨年12月の公表値から変更はありません。塗料関連事業は、自動車メーカーの生産減はあったものの、大型塗装設備の受注やその他主要顧客の売上高が増加しています。電気・電子部品事業は、主力のホールICに加え子会社の車載向けモジュール販売が好調です。

 また、来期に向けてマーケティング活動の強化を狙い組織を変更しました。事業企画推進部を事業企画部と事業推進部に分割し、それぞれに役割を設定して強化していきます。

―― 今回上場した理由と株主還元についてお聞かせください。

飛戸 当社の社会的使命は、最適整合の創造です。いかなる時も最も適したものを整え、お客様の期待に応えることを目指します。そのためには、塗料や塗装といったものを高度化していきたいと思っています。日本の製造業の製品やサービスを縁の下で支える存在であり続けたいという思いから上場を決意しました。

 株主還元についてですが、今期は20円配当を予定しており、今後も安定的かつ継続的な配当を考えています。
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