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2019-07-17

独立系専門商社の強みを生かし商材の「最適提案」で顧客を獲得――ダイコー通産株式会社 代表取締役社長 河田 晃

ダイコー通産株式会社
証券コード 7673/東証2部

代表取締役社長 河田 晃
Akira Kawada

CATVや情報通信分野において高品質な資材を取り扱い、調達資材の提案、納品管理といったソリューションの提供も行う専門商社がダイコー通産だ。技術革新や政府の施策に合わせて業容を拡大し続ける同社の河田社長に今後の展開を聞いた。

取材・文/山本 信幸 写真撮影/和田 佳久

CATVの4K・8K対応に通信の5G化と需要は尽きない

―― 御社の沿革について教えてください。

河田 もともとは電話工事用資材を工事会社に販売していたのが事業の始まりで、当初は電話の電線や「共聴」と呼ばれるテレビの受信障害対策用の資材を販売していました。有料番組などが見られる都市型CATVが普及し始めたことから工事業者の仕事がそちらにシフトし、当社もCATV用の商品を扱うようになりました。その後、“放送と通信の融合”の流れのなかで、CATVが通信事業に進出したことにより、当社もネットワークや情報通信関連に業容を拡大しました。

―― 競合する会社は多いのですか。

河田 例えば通信工事は大きく室内で行う工事と、電柱に電線を張るような屋外の幹線工事に分かれます。室内・屋外のそれぞれに競合する会社はあるのですが、当社は両方の工事に対応した商材を全国規模で扱っています。また独立系の強みを生かし海外の高品質・低価格の商材を発掘して輸入したり、OEM生産品を販売したりしています。

―― 2010年に50%を超えてからCATVの普及率は鈍化していますが、業績に影響することはありませんか。

河田 CATVの幹線は加入世帯数に関係なく、事業を展開しているエリアに張り巡らさなければなりません。さらに、現在のフルハイビジョンよりも高精細・高画質な4K・8Kに対応するため光回線化を進める必要もありますし、既存設備の更新もあります。普及率に関係なくこうした需要は続くと考えています。

 また、当社はCATV向け商材のみを扱う商社と受け止められがちですが、他の事業も成長しているため、売上高に占めるCATVの割合は相対的に低くなっています。CATV向け事業をベースに、事業の範囲を多方面に広げています。

 例として、防災無線や防球ネットなどが挙げられます。防災無線の屋外部分の工事では柱を立ててスピーカーやアンテナなどを取り付けますが、電柱を立ててケーブルを張るCATV幹線工事と共通性があります。また、防球ネット工事も柱を立てて網を張るという部分で共通性があります。

 一方、通信業界に目を向けると、大容量の通信をより速い速度で行う第5世代移動通信システム(5G)のサービスが始まります。使用する周波数の関係でかなり基地局を増やす必要があるため、基地局を構成する部材の需要も大きくなると予想しています。さらに10月から4社目のキャリアとしてサービスを開始予定の楽天モバイルが設置する基地局の部材需要も見込めると予想しています。

 その他にも、ホットな話題として、東京オリンピック・パラリンピックに関わる案件も増えてきています。

大手から小規模な工事会社まで多岐にわたる取引実績

―― 商材を売り込む相手はキャリアのような大手が多いのですか。

河田 工事資材については、キャリアが一括購入して各工事会社に支給したり、各工事会社が個別に発注したりと商流が多岐にわたります。また、工事会社にも元請け下請けの関係があり、元請けが部材を支給するケースも下請けに任せるケースもあります。当社は柔軟な対応ができること、大規模小規模を問わず満遍なく取引をしているところが強みで、当社から元請けに「一括購入してコストを下げませんか」といった提案もします。

 当社は、お客様である通信工事会社の部材調達という仕事を省くアウトソーシング的役割を果たす会社です。単なる販売ではなく提案や納期管理も当社の役目です。通信工事にはシンプルな鉄製品から高度な技術が使われている機器まで幅広い部品が求められます。そうした資材の提案から、工事が遅れればそれに合わせて部品の納入も遅らせるというような納期管理までをきめ細かく行っていますが、全国規模でこれができる専門商社は限られています。小規模な工事会社では部品在庫を置くスペースがなく現場で納品ということもありますが、そういった対応も含めて当社はお客様ごとに最適なソリューションを提供しています。

―― より価格の安いECサイトとは競合しませんか。

河田 注文内容や納期が明確な場合には競合することも考えられますが、「この工事には何が必要なのか」、「ある部品と別の部品を組み合わせて使えるのか」と調査している段階では、当社の情報力・提案力・調達力が強みになります。

 自社である程度解決できたり、リスク分散のために複数の購入先を必要とする会社もありますが、特に小規模な会社では、当社の提案力を含めた利点を評価いただくことで、ほぼ全ての部材調達を継続的にお任せいただけるケースが多いです。このような会社との取引は当社にとって大切な「ストック」になります。

―― 上場によって得た資金はどのように使いますか。

河田 当社は北海道から沖縄まで全国をカバーしていますが、西日本に比べると東日本が手薄です。上場による知名度向上によって人材を確保し、東日本の基盤も充実させていこうと考えています。お客様に最適な提案ができる優秀な人材の確保も重要な課題です。

――業績の見通しはいかがですか。

河田 4月に出した業績予想では19年5月期の売上高を上方修正し、利益も減益予想から一転増益としました。売上高は一過性の大型案件を受注した前期には届きませんが、業績は安定的に推移しており、来期以降も安定成長を続けることができそうです。

 M&Aなどに備えたある程度の内部留保は必要ですが、手持ちの資金も十分にあるため、株主の皆様に長期保有していただくために、配当性向を30%から35%へ引き上げました。今後とも、当社への応援をよろしくお願いいたします。
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