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2020-01-14

ビジネス用のチャットツールで社内外のコミュニケーションを革新――Chatwork株式会社 代表取締役 山本 正喜

Chatwork株式会社
証券コード 4448/東証マザーズ

代表取締役CEO兼CTO 山本 正喜
Masaki Yamamoto

働き方改革によるテレワークの増加などの流れを受け、高成長が見込まれるビジネスチャット市場で、高い評価を得ているのがChatworkが展開する社名と同じ名前のチャットツール。国内トップシェアを誇る同社の山本正喜CEOに、強みと成長戦略を聞いた。

取材・文/小椋 康志 写真撮影/和田 佳久

口コミで広がり続けるビジネスチャットツール

―― 御社の事業内容について教えてください。

山本 ChatworkというサービスをSaaS(クラウド上で提供されるソフトウェア)で提供しているのがメインのビジネスです。その他にウイルス対策ソフトウェアを販売するセキュリティ事業を行っています。Chatworkは名前の通りチャットツールですが、LINEなどと違いビジネス向けになっているところが大きな特徴です。効率的に情報共有できるグループチャットだけでなく、タスク管理やファイル共有、ビデオ会議など、コンシューマー向けのツールにはない機能が充実しています。ビジネスに最適な設計となっているため、ユーザーからも非常に高い評価をいただいています。

 そのため、各年度で獲得した同一顧客からの売上というのは、一般的なサブスクリプションのサービスですと解約が進み右肩下がりになっていくのですが、当社の場合は逆に増加しているのが特徴です。過去に獲得した顧客の売上が増えているところに、新規顧客の売上が積み重なっていくため、SaaSのサブスクリプションとしては非常に強いビジネスモデルだと言えます。

―― 継続率の高さの要因はどこにあるとお考えですか。

山本 他社のチャットサービスはクローズド・グループウェア型を採用していて、社内用のIDと社外に繋がるID(ゲストアカウント)を別々に管理しなくてはいけません。複数のIDを切り替えて使うため、やりとりが増えれば増えるほど管理が煩雑になってしまいます。それに対して、当社はオープン・プラットフォーム型を採用しています。社内でも社外とのやり取りでも1つのIDでシームレスに利用でき、プロジェクトがたくさんあっても1アカウントで管理できるので利便性が高いという強みがあります。そのため、取引先同士で勧め合っていただくなど、口コミで利用者が広がっていくケースが多いです。

 電話、FAX、メールという流れでコミュニケーションツールが変遷してきて、これからはチャットの時代になるでしょう。携帯メールを使う人よりもLINEを使う人が増えているように、ビジネスにおいても「チャットのほうが便利だからもうメールには戻りたくない」という人が増えています。チャットは使うとログが残りますし、使っているうちに人間関係が構築されていきます。もし抜けようと思っても互換性がないため別のチャットには移行できませんし、取引先が使っていれば自社の都合でやめるわけにもいきません。このような理由から、一度使い始めるとほぼやめないため、継続率が非常に高いのです。

働き方改革を追い風に持続的高成長を目指す

―― 市場環境と今後の成長戦略について教えてください。

山本 国内ビジネスチャット市場は2017年度が62億円、2022年度が230億円と、今後もおよそ年次30%の高成長が見込まれます。国内におけるビジネスチャットの普及率はまだ3割未満と言われており、ポテンシャルが大きく残った市場です。Chatworkは誰でもすぐに使えるような簡単なインターフェイスを採用した全社的に使えるツールです。ビジネスでメールを使っている事業者であれば導入可能なため、国内事業者385万社全てがターゲットだと考えています。また、当社も在宅のスタッフが多いですが、昨今のテレワーク推進をはじめとする働き方改革は大きな追い風となっています。

 当社は2011年からビジネスチャットツールをリリースしているファーストプレイヤーでありパイオニアです。現在も国内利用者数ナンバーワンであり、市場を作ってきたという自負があります。今後の経営目標として、売上高の数字が一番大事だと考えており、Chatwork事業単体での年間売上高成長を目指してまいります。

 そのための成長戦略の1つが販売チャネル強化と業種展開の拡大です。これまで直の営業部隊は関東圏に集中していましたが、今後は販売代理店を増やして全国展開していく予定です。既に営業先を持っているシステムインテグレーター、キャリア、複合機メーカー、商社などに新しいIT商材の1つとして加えていただくことで販路を拡大していきます。これまでは士業、介護、建設などノンテックの業界に強かったのですが、製造、小売、医療といった分野への展開を図っています。業種ごとの展示会に出展したり、業界の媒体などに広告を出したりしながら、その業界におけるChatworkの上手な使い方を提示していくという国産ならではのマーケティングを実施していくつもりです。

 2つ目がプロダクト価値向上の追求です。機能開発を推し進めることで、ユーザーに上位プランへの移行を促すほか、導入支援などのオプションメニューを設けることでARPU(1ユーザーあたりの平均収益)を上げていきたいと考えています。

 3つ目の成長戦略がプラットフォームビジネスの展開で、Chatworkを経由して様々なアウトソーシングを利用できるサービスを、パートナーと組んで提供していくつもりです。いずれはユーザー同士が出会えるようなマッチングビジネスのようなものができればと思っています。

―― 株主還元についてはどのような方針でしょうか。

山本 今のところ基本的に配当は考えていません。しっかりと企業を成長させ、株価を向上させることによって利益を還元していきたいと思います。積み上げ型のビジネスモデルなので、中長期における成長の蓋然性は高いと言えるでしょう。
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