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2020-04-13

高スキルのフリーランスを支援し企業の働き方改革にも貢献――ランサーズ株式会社 代表取締役社長CEO 秋好 陽介

ランサーズ株式会社
証券コード 4484/東証マザーズ

代表取締役社長CEO 秋好 陽介
Yosuke Akiyoshi

拡大するフリーランス市場において、信頼性の高いプラットフォームを提供することで着実に成長しているのがランサーズだ。国内最大級のマッチングサービスを運営し、個人の「働き方の変革」を目指す秋好陽介社長に同社の強みと成長戦略を聞いた。

取材・文/山本 信幸 写真撮影/和田 佳久

国・企業・個人の思惑が一致しフリーランス人口は増加

―― 御社の事業内容と事業を取り巻く環境について教えてください。

秋好 当社はフリーランスとして働く方と仕事を依頼したい企業をオンラインでマッチングするプラットフォームを運営しています。

 現在の日本の労働人口は6,600万人ですが、2050年には4,400万人まで減ると言われています。一方で、当社が事業の対象としているフリーランスの人口は、2015年の900万人から19年には1,000万人に増えており、その経済規模も同期間で14兆円から20兆円と約1.4倍に拡大しています。

―― フリーランス人口に比べて経済規模の伸びが大きいのはなぜですか。

秋好 フリーランスという働き方が浸透し、複数の企業で働く“複業”フリーランスが増えたことが大きな理由です。フリーランスの市場が拡大している背景には国、企業、個人それぞれの要因があり、ご存知の通り国は成長戦略である働き方改革の一環として副業・兼業の普及促進を図っています。
 
 一方で、企業の副業解禁の動きも加速していて、現在は東証1部上場企業でも副業を認めていたり、解禁を検討しているところが増えています。終身雇用が維持できなくなっているし、副業を禁止していては良い人材が採用できないという現状があるからです。

 また、個人も新卒で入社して退職まで同じ会社で働きたいという意識が薄れており、最近の調査では70%が副業を具体的に検討している、もしくは副業に興味があると答えています。このように、働き方に対する世の中の認識が変わった結果、フリーランスの人口と経済規模が増えてきているのだと分析しています。

大学時代にフリーランスとして働いた体験から起業を志す

―― 創業は2008年ですが、なぜフリーランス市場に着目したのでしょう。

秋好 2003年頃、私自身が大学に通いながらフリーランスという働き方をしていました。当時は大阪に住んでいたのですが、会ったことのない東京のクライアントとメールのやり取りだけで仕事ができ、インターネットがあれば時間や場所にとらわれずに働けるのだと実感しました。その後、インターネットサービスプロバイダーに就職したのですが、そこで目の当たりにしたのは、大手企業は優秀な仕事相手であってもセキュリティ上の理由から、個人には発注できないという現実でした。そこで、インターネット上に個人が登録するプラットフォームをつくり、セキュリティ上の問題を解決すれば大手企業であっても個人に発注できるようになり、働き方が変わるのではないかと考えました。
 
 ランサーズでは、「個のエンパワーメント」というミッションと「テクノロジーで誰もが自分らしく働ける社会をつくる」というビジョンを掲げて経営しています。

プラットフォームを通じて地方創生にも貢献

――具体的にはどのような仕事がマッチングされているのでしょうか。

秋好 現在、当社のサービスに登録しているフリーランスは100万人を超えており、クライアントの企業も約40万社に達しています。企業の依頼内容はシステム開発などのIT業務やデザインなどのクリエイティブ制作など多岐にわたります。フリーランスを活用することで企業は必要なときに必要な分だけリソースが確保でき、比較的低単価、短期間での発注ができるというメリットがあります。一方のフリーランスにも、自分の能力を生かした仕事ができ、好きな時間・場所で働けるというメリットがあります。

――地方在住のフリーランスにも発注があるのでしょうか。

秋好 前述の約40万社の企業のうち、60%程度が東京の企業ですが、フリーランスの75%以上が地方の方です。東京一極集中と言われますが、ランサーズのプラットフォームの中では東京の仕事が地方に流れる現象が起こっています。
 
 また、このところ特に伸びているのがバックオフィスの分野です。以前なら企業の管理部や事業企画が担当していた仕事がフリーランスに発注されています。当社でもフリーランスの方へ仕事を依頼していて、現在の社員数は約200人ですが、バックオフィス業務をはじめとした社内のさまざまな業務を数百人のフリーランスの方に依頼しています。私の秘書もタイのバンコクに住んでいるフリーランスの方です。

――収益はどこから得ているのですか。

秋好 クライアントが登録したフリーランスへ支払う報酬のうち、5〜20%をシステム手数料として得ています。当社の競争優位の源泉は高いスキルを持ち、実績のあるフリーランスの方々に登録していただいている点にあり、こうした高スキルのフリーランスを増やし、確保していくことが今後の成長に重要だと考えています。そのため、経理処理や福利厚生といった管理業務のサポートや、銀行と協同したフリーランス用クレジットカードの展開といった施策を行い、フリーランスの方が本業に集中できる環境の構築に努めています。
 
 信頼できるフリーランスの登録数を増やすことで、プラットフォームを使っていただくクライアント数とクライアント単価を増やし、利益を最大化させていく方針です。

――業績についてはいかがでしょうか。

秋好 2020年3月期は第一四半期に大規模なプロモーションを実施したことで赤字見通しですが、知名度が上がり登録会員数と企業からの依頼が増加しており、継続的に利益を出せる体質になってきています。当面は成長のための投資に使っていきますが、株主還元策についても時期を見て実施する予定です。
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