よくある質問 IRご担当者様へ JI定期読者のメールアドレス登録申請

ジャパニーズインベスターの記事をネットで配信、投資家ネット

ジャパニーズインベスターの記事をネットで配信、投資家ネット

  • HOME
  • 記事一覧
  • 連帯保証人制度に代わる機関保証のインフラを構築し、社会に貢献する ──あんしん保証株式会社 代表取締役社長 雨坂 甲
2016-01-15

連帯保証人制度に代わる機関保証のインフラを構築し、社会に貢献する ──あんしん保証株式会社 代表取締役社長 雨坂 甲

あんしん保証株式会社 代表取締役社長 雨坂 甲

2002年に創業、不動産賃貸業界における事前立替型保証のパイオニアとして
順調に業績を上げ、2015年11月にマザーズ上場を果たした。目指すのは、
あらゆる分野における連帯保証人制度に代わる機関保証の普及。
その成長戦略を雨坂甲社長に訊いた。
(取材・文/上條 昌史 写真撮影/和田 佳久)

保証業務を突き抜けた事前立替の保証を実現

――事業内容と強みを教えてください。

雨坂 当社は、賃貸借契約における連帯保証人制度を法人として引き受ける機関保証会社として、家賃債務の保証事業を展開しています。この業界で、競合他社と比べて決定的な強みは、事前立替型保証のパイオニアであるということです。

 一般的な機関保証会社は、家賃の滞納が発生した場合に初めて代位弁済を行う"滞納報告型"の保証を販売しています。しかし賃貸業を行う大家さんにしてみれば、後日家賃が振り込まれても、タイムラグが発生し、ローンの支払いが滞ったり、自己資金の持出しが発生する場合があります。そんなことが起こらないよう、当社では家賃の支払期日の前に全額立替えて支払いを行っているのです。

 主力商品は、クレジットカード事業者ライフカードとの業務提携による「ライフあんしんプラス」で、この商品では、ライフカードが大家さん(不動産管理会社などを含む賃貸人)に家賃等の立替えを行い、入居者(貸借人)に家賃等の引き落としをかけます。滞納が起きた場合は、当社がライフカードに対して代位弁済を行い、入居者に対して家賃等の請求を行います。大家さんは、決まった日に家賃収入が保証されるわけです。

 このように既存の保証商品よりも付加価値のある、より良いサービスを提供し、「賃貸住宅」に関わるすべての人々に「あんしん」をお届けしています。ちなみにこの「事前立替型」保証商品を運用する仕組みは、2008年7月にビジネスモデル特許を取得しています。

――収益はどうですか。

雨坂 一般的な事後報告型の保証スキームでは、収益は入居時の初回保証料と更新保証料だけですが、当社の事前立替型では月額保証料の徴収が可能になっており、家賃保証残高から収益を生むストックビジネスモデルを構築しています。つまり、新規顧客だけでなく、既存顧客からも収益を生み出す収益基盤をつくっている。これも強みの一つです。

機関保証が普及すれば、誰もが不幸にならない

――そもそも、なぜ機関保証による事前立替スキームを考案したのですか。

雨坂 世の中から連帯保証人制度を無くしたいという強い思いがあったからです。そもそも連帯保証人を設定したからといって、家賃が100%保全されるわけではありません。しかも万が一家賃を滞納すると、親しかった人間関係そのものが壊れてしまい、更なる不幸が生まれる。そんな連帯保証人制度の代わりに機関保証が普及すれば、誰もが不幸にならず、円滑な賃貸も実現する。

 だから当社のビジネスは、賃借人と賃貸人とのトラブルを抑制するセーフティネットであり、ライフラインをつくる社会的意義のある仕事だと考えています。

――家賃の未回収リスクにはどのように対応しているのでしょうか。

雨坂 家賃の未回収リスクをヘッジするためには、高い審査能力を有する必要があります。主力商品の「ライフあんしんプラス」ではライフカードと組み、当社が立替えを行う商品「あんしんプラス」では、信用情報機関のCICに加盟し当社独自の審査を行うことで、精緻な与信に基づいたスコアリングを実行しています。それでも家賃の滞納などが起きた場合は、当社が請求を行い、明け渡し完了まで責任を持って保証業務を遂行しています。期間限定とか免責はありません。現在までに、退去者の数字も含めると約30万人の保証を行ってきた実績があり、与信のスコアリングは厳格に保たれています。未回収リスクをきちんとヘッジできているという実績が、今回の上場実現の大きな要素の一つになっています。

利用率を高め、シェア1,000千戸を目指す

――営業収益の推移と、市場環境に対する見通しを教えてください。

雨坂 2015年3月期は営業収益17億8,196万円(経常利益2億5,977万円)で、2016年3月期は同22億1,991万円(同3億700万円)を見込んでいます。市場は今後も拡大すると見ています。総務省の統計によれば、家賃債務保証の対象となる民営の借家総数は増加し続けています。1988年には9,192千戸だったのが、2013年には14,454千戸。この背景には、人口は減っているものの、核家族化が進展して、単身世帯が増えていることが挙げられます。実際に単身世帯は、7,895千世帯(1985年)から16,785千世帯(2010年)に増えています。賃貸の平均賃料56,398円で計算すると、不動産賃貸のマーケットは月額8,150億円規模。その中で、当社のシェアは157千戸で、まだ1%に過ぎません。成長する余地は十分にあると考えています。

――具体的な数値目標はありますか。

雨坂 当社の営業は不動産管理会社がメインとなります。現状で当社の加盟店の管理戸数は2,168千戸あり、そのうち当社シェアは157千戸ですから、当社利用率は約7.24%です。まずは、当社加盟店の管理戸数を増加させて利用率を35%にまで高め、1,000千戸を目指します。これは実現可能な数字だと見ています。さらに新規加盟店の開拓を強化、未参入である仲介物件に対する保証も考えています。

民法改正で機関保証の浸透が加速される可能性も

――今後の成長戦略を教えてください。

雨坂 当社の経営理念は「人として社会に感謝し、地域社会の発展に挑む」というもので、ミッションは「連帯保証人制度に代わる機関保証の普及の実現」です。家賃業務の保証業務がコアビジネスですが、連帯保証人制度のあるところ、ビジネスチャンスがあると考えています。 

 また民法改正が見込まれる中で、極度額の設定による連帯保証人の付帯が困難になることや、保証契約締結時の情報提供の義務化による連帯保証人の負担が増加することを想定した場合、保証会社へのニーズはますます高まる。民法改正を追い風に、機関保証の浸透が加速化されると予測します。

――現状における課題はありますか。

雨坂 札幌から福岡まで全国に10支店展開し、地方に強いのが当社の特徴です。しかし、首都圏ではまだプレゼンスを確立していません。今回のIPOで認知度と信用を勝ち得て、首都圏への本格的な進出を図りたい。優秀な人材の確保も同時に進めていきたいと考えています。

ページTOPへ