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2016-02-05

独自の仕入れと建築設計で資産価値の高い不動産投資物件を開発する──プロパティエージェント株式会社 代表取締役社長 中西 聖

プロパティエージェント株式会社
証券コード3464/JASDAQスタンダード

代表取締役社長
中西 聖 Sei Nakanishi

創業は2004年。東京23区の絞られたエリアを中心に、独自の「スコアリング」「モデリング」を駆使して、長期的に安定した収益を得られる資産運用型不動産の開発、販売を行っている。徹底した顧客視点で成長する同社の現状と未来を、中西聖社長に聞いた。

(取材・文/上條 昌史 写真撮影/和田 佳久)

用地の仕入れに定量的評価の「スコアリング」を導入

――事業内容について教えてください。

中西 東京23区や横浜地区を中心に、資産運用のための不動産開発販売事業と、それにかかわる管理・仲介などのプロパティマネジメント事業を展開しています。「クレイシア」という自社ブランドマンションを企画・開発しており、不動産の仕入れ開発から建築設計、販売、管理、仲介までを一気通貫、ワンストップで提供しているのが特徴です。

 主な販売対象としては、企業にお勤めのビジネスパーソン、国内の富裕層、海外の投資家という3つのチャネルがあります。「不動産と不動産サービスの価値を創造、向上し、人の未来を育み、最高の喜びを得ることを信条とする」という企業理念のもと、お客様視点に立ち、長期に渡って安定した収益を確保できる不動産開発を心がけています。

――とくに仕入れ開発に強みがあるとお聞きしています。

中西 仕入れ開発にあたっては、立地条件×収益性×物件価値の3軸からとらえたデータをもとに、50項目以上に及ぶ独自の「スコアリング」を実施しています。特に時間軸を加味し、未来の需要供給バランスを客観的に判定していきます。

 私たちが重視しているのは、物件の価値が変動しないことです。場所によっては、今はよくても、5年たつと収益性や資産価値が大きく変動し下落してしまう所もあります。それを見極めるために、主観的な判断だけでない定量的な分析を行っているのです。具体的には、最寄り駅の乗降客数のトレンドや、周辺の商業施設の開発予定、駅から物件まで扇形に広げたエリアで将来競合となり得る物件の土地の有無などを調べていきます。

 その結果、「当社が買わない用地を他社が買う」ことがよくあります。逆に当社のスコアリングによって、他社が気づかない有望な用地を有利に獲得できることもあります。土地の仕入れには、購買と同様に、「何を買わないか」という判断も重要なのです。

建築設計に「独自のデザインをもたない」というこだわり

――建築設計にあたっても、独自のこだわりがあるそうですね。

中西 はい。当社が設計にあたって重視しているのは、「独自のデザインを持たないことがオリジナルである」という理念です。これも物件の変動率を高めたくないのが理由で、一棟一棟、地域にとけ込むデザインを最優先しています。これを当社では「モデリング」と呼んでいます。そのために立地周辺の居住者の層を詳細にリサーチします。

 たとえば物件開発のプロジェクトがスタートした段階で、「この地域に住まう人の特徴を教えてください」と、地元の仲介業者にアンケートを行います。年収や男女比にはじまって、職業、職種、勤務地、服装、オフの過ごし方など、パーソナルな部分に焦点を当てます。仲介業者が5社あれば、その地域の傾向が見事に出てきます。

 その結果、クリエイターが多い地域ならば、お洒落でビンテージな味わいを持つデザインの「クレイシア」を、細部にまでこだわって創り込んでいきます。地域とイメージは違うことが多く、たとえば秋葉原などは、意外に大手町に勤務する総務系の堅いビジネスパーソンが多かったりします。その場合は、シンプルで機能的なデザインにします。

 つまり入居者像を想定するというマーケットインの考え方で、競争力の高い物件が実現するのです。さらに地域の仲介業者と事前にコミュニケーションを取ることで、物件が彼らの記憶に残り、それが高い入居率に繋がるというメリットもあります。

単身者や少人数世帯の賃貸需要は順調に推移

――市場の現状について教えてください。

中西 いま不動産業界では、地価の上昇や建設コストの上昇などの影響で、マンション供給戸数は日本全体では減少しています。ただ、当社の主要事業領域である首都圏の資産運用型不動産の市場においては、東京オリンピックやアジアヘッドクォーター特区などによる期待感と、東京への人口集中の予測などから物件供給数は増加傾向にあります。

 とくに単身者やディンクスなど少人数世帯を中心とした賃貸需要は順調に推移しています。当社では、エリアを絞り込んだ仕入れ戦略で、有益な情報を事前に確保するなどの方法で、地価の上昇に対応し、着実に成長を遂げてきました。

獲得した顧客チャネルを利用し事業領域の拡大を図る

――今回の上場の狙いと、今後の成長戦略を教えてください。

中西 上場の目的は、信頼性と知名度の獲得、ブランディングのためです。資産運用型不動産であるために、たとえ実績があったとしても常に信頼性が問われます。上場して信頼性を高め、ブランド力をつけることで、ウェブマーケティングに力を入れるなど新たな集客手段にも力を入れていきたいと考えています。

 当社の特徴のひとつは、お客様と積極的にコンタクトを取っていく点にもあります。毎年12月には「オーナー様謝恩パーティー」を開催し、オーナー様と弊社の絆を深める機会を設けています。お客様から率直な声をお聞きし、それを事業に反映することも信頼性を獲得する大切な手段だと考えているからです。

 事業戦略的には、資産運用目的だけではなく居住目的の購入者層の拡大を視野に入れ、販売の拡大をはかっていきます。その一つにディンクス向け物件の販売があります。不動産を購入すれば賃貸より安く住むことができ、家族構成が変わったら引っ越しをして賃貸にするという方法があります。そんなソリューションも提案していきたいと考え、実際にすでに一棟ディンクス向けの不動産を仕込んでいます。

 また当社は創業当初からコンパクトマンションに事業領域を集中してきましたが、顧客のチャネルも増えたことから、ワンルームだけでなく、広い部屋、オフィスビルやリノベーションした不動産など、アプローチするマテリアルの拡大も検討しています。

 時代が変わり、働き方が変わり、将来への不確実性が高まっている中、不動産収益への期待は高まっています。当社は不動産の価値創造を通じて業績拡大を図り、今後は安定かつ継続的に増配していきたいと考えています。

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