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2016-02-26

参入障壁が高いビッグデータの収集と生成に特化し成長を持続──株式会社ダブルスタンダード 代表取締役 清水 康裕

株式会社ダブルスタンダード
証券コード 3925/東証マザーズ

代表取締役
清水 康裕 Yasuhiro Shimizu

ビッグデータを活用すると事業に役立つ知見を導出できる。ところが導出の基本となるデータにはばらつきが目立つ。「ダブルスタンダード」は自動的にデータを広範囲に収集、高精度に生成する仕組みを構築して急成長を続けている。代表取締役の清水康裕氏に強みと成長戦略を聞いた。

(取材・文/山本 信幸 写真撮影/和田 佳久)


データの精度が低いところにビジネスチャンスを見いだす

――御社の事業の二本柱である「ビッグデータ関連事業」と「サービス規格開発事業」について教えてください。

清水 「ビッグデータ関連事業」とは、顧客が必要としている情報の収集業務から、データクレンジング技術等の当社コア技術を活用したデータ成形までを実施し、顧客の売上拡大・費用削減に直結できるビッグデータとして提供する事業です。この事業のヒントを得たのは前職のウェブコンサル会社時代です。顧客企業が抱える課題の中に「ビッグデータ」というキーワードがありました。データを解析する人材を抱えていても、データの精度があまりに低いために効果的な利用ができていなかったのです。さらに踏み込んで調べると外部の情報収集はおろか、顧客自身が保有している情報も整理できていない状況が見えてきました。そこで情報を自動的に収集・整理して、自動でクレンジング(不要データの除去)と補正・修正処理を施し高精度なデータに仕上げて提供することができれば、顧客企業は分析に専念できる。そこに新しいビジネスチャンスがあると考えたのです。

――そして2012年6月にダブルスタンダードを設立したのですね。

清水 設立から1年ほどはコア技術のもとになるアルゴリズム生成という情報加工技術の構築に最優先で取り組みました。その結果13年1月から「マーケティングサポートデータ提供サービス」の提供ができるようになりました。情報収集に多大なコストを掛けていたお客さまから、自動化によって実現した低コスト感、短期間で高精度なデータが入手できるスピード感を評価していただきました。

――その後に「サービス企画開発事業」をスタートさせました。

清水 「サービス企画開発事業」はビッグデータ関連事業で培ってきたノウハウ、独自技術を活用することで生まれるサービスを柱とした事業です。2014年3月から、ビッグデータを生成する際に必要になる情報収集技術を活用することにより、ウェブサイトの「情報変更検知システム」の提供を始めました。その一例を挙げれば、ある会社(顧客)の公式ホームページの変更情報をいち早く検知して、100%正確に自社のホームページでも情報を展開するための仕組みです。手作業で顧客のホームページをチェックして変更箇所を探していた作業から解放され、大幅な人件費の削減が可能になります。例えば不動産会社が導入した場合、デベロッパーが発表するモデルルームの設置情報を、いち早く自社ユーザー向けのホームページで紹介することができるというわけです。

ライバル不在のポジションで技術を磨きノウハウを蓄積

――ビッグデータ市場規模と御社の市場におけるポジションを教えてください。

清水 市場規模は2017年度6,300億円、2020年度に1兆円と予測されています。この市場のポジションにはビッグデータの分析会社、ビッグデータ基盤技術提供会社などがあり、激しい価格競争を繰り広げています。当社はどのポジションにも属さないため、ライバルも価格競争もほとんどありません。

 今後はライバル参入があるかも知れませんが、データの正規化技術は難易度が高い領域です。複雑な文字列表記からデータ化に必要な情報だけを取り出し、不足情報を自動で補正し、無数の表記パターンの中から正確な表記へ自動修正しなければなりません。当社はその技術を独自に開発しノウハウを蓄積してきました。ライバル社は現時点の当社に追いつくだけでも相当な時間がかかるでしょう。その間に当社はさらに技術を磨き、ノウハウを蓄積することができるのです。先行した者が断然有利なため、参入障壁が非常に高いと考えています。

――創業以来、黒字経営を続けています。業績の推移を教えてください。

清水 売上高は13年3月期630万円、14年3月期2億3,900万円、15年3月期5億2,100万円と順調に伸び、16年3月期は8億4,800万円を見込んでいます。収益を安定化させるストック報酬型事業モデルを中心とした事業展開を推進しており14年度、15年度のストック型売上割合は60%、16年度は70%に達する見込みです。データは継続して更新されるため、当社に対する依頼も途切れることが無く、ストック型売上の割合が高いのです。顧客企業には必要不可欠なサービスとして利用していただいているため、広告宣伝費等ではなく、戦略的業務の外注委託費といった部分に組み込まれており、経費削減の対象になりにくいという特徴があります。

 また顧客事業の在り方を時間を掛けて研究し、利用価値の高いサービスに落とし込んで提供することにより、契約獲得率90%超、継続率ほぼ100%を達成しています。既存事業の市場はまだ十分に開拓されておらず、現在の60倍以上の市場規模があると想定しています。

――どのような企業が顧客ですか。

清水 現在の事業は不動産、結婚、自動車、人材という4領域を中心に展開しています。領域ごとにカスタマイズしているもののコア技術は共通のため、他の領域にも応用が利きます。今後は新たにEC事業を展開する流通、金融、IR関連といった3領域に進出する計画があり、当社の成長に寄与すると考えています。


上場により知名度が上がり優秀な人材確保が可能に

――上場の効果は出ていますか。

清水 企業の信頼度が向上し、知名度が高まったことから紹介営業に加えて新規の問い合わせも増えています。上場の目的のひとつだった事業拡大に必要な優れた人材確保にも役立っています。

――今後の成長戦略を教えてください。

清水 当社は既存事業の販売強化と、AI・アルゴリズム処理といった技術イノベーションへのこだわりをもちながら新しいサービスの創造を行います。そして国内で地盤を固めた後に、海外進出も目指します。

――「ダブルスタンダード」(二重基準)という社名にはどのような思いが込められているのですか。

清水 社名には当社のミッションである「市場、技術の変化に先んじて、常識と非常識(ダブルスタンダード)から世に有益な新しい常識を創る」という意味が込められています。「新しい常識」を生み出し、顧客企業の事業・業務を常に改善サポートできる企業として成長していくことを目指します。
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