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2016-06-10

主力の化学品事業の情報資源を活用し効率的な事業拡大を図る──昭栄薬品株式会社 代表取締役社長 藤原 佐一郎

昭栄薬品株式会社
証券コード 3537/JASDAQスタンダード

代表取締役社長
藤原 佐一郎 Saichiro Fujiwara

昭栄薬品は1937年の創業以来、「オレオケミカル」という天然油脂由来の製品を扱う化学品専門商社として発展し、オレオケミカル分野ではトップの位置にいる。「一番にお声がかかる選ばれる会社」を目指した経営を行う藤原佐一郎社長に事業の現況と戦略、成長エンジンとなる海外展開と業績見通しを聞いた。

(取材・文/山本 信幸 写真撮影/和田 佳久)

オレオケミカル分野を戦略的ドメインに設定

――「昭栄薬品」は化学品の専門商社ですが、どのような事業を展開しているのでしょうか。

藤原 当社は「オレオケミカル」(天然油脂化学)を中心とした事業を展開しています。オレオケミカルとはパーム油、ヤシ油といった植物系の天然油脂を原材料とした製品を生み出す化学のことで、ペトロケミカル(石油化学)品とは異なり、再生産が可能で環境負荷が低いといった特徴があります。事業は化学品事業、日用品事業、土木建設資材事業の3つのセグメントに分かれています。

 化学品事業は界面活性剤メーカーをはじめ、トイレタリー(石けん・洗剤・シャンプー等)、化粧品、食品、医薬品など幅広い業界を販売先としています。

 日用品事業は家庭用・業務用洗浄剤等を顧客企業と共同開発しOEM(相手先ブランド)で供給しています。また6月からは自社ブランド品として除菌消臭靴スプレーの販売を始めました。

 土木建設資材事業は多くの同業他社が成形品資材を主力としているのに対し、当社は薬剤に特化しています。薬剤とはコンクリート補修補強工法に使用する材料・添加剤などです。例えばトンネルの内壁に吹き付けるコンクリートに、ある薬剤を添加するとはがれにくく施工がしやすくなるのです。

――3事業の売上高と構成比を教えてください。

藤原 2016年3月期の売上高は184億600万円でした。そのうちの89.3%が化学品事業、4.7%が日用品事業、6.0%が土木建設資材事業です。

――売上高の約9割が化学品ですね。

藤原 事業ドメインを化学品事業の「オレオケミカル分野」と位置づけているためです。まずここに経営資源を集中し、その専門性や知識・経験などが生かせる他の2事業を展開しています。オレオケミカル製品を専門に扱う化学品商社は他に無く、当社の強みと言えるでしょう。

――花王の国内主要代理店に選ばれている点も強みですね。

藤原 花王さんは販売先業界ごとに主要な代理店を決めています。当社はオレオケミカル製品をメインとする業界に対する代理店に選定されており、共同で販売に当たっています。そのため仕入れ先の4割強を花王さんが占めていて、同社の化学品を取扱う代理店の中でもトップクラスの位置にいます。今後も花王さんとの関係を強固にしつつ、海外も含めた新たな事業展開を進めていきます。

海外の日系企業との関係を国内に生かす

――中国とタイに海外の現地法人を置いていますが、どのような事業活動をしているのでしょうか。

藤原 新興国メーカーが生産する化学品の品質が向上し、採用する企業が増加傾向にあることから、二つの戦略で販売拡大や新規得意先開拓を目指しています。まず新興国で仕入れ先の開拓を進め、国内外で販売すること。中でも殺菌剤のIPMP(イソプロピルメチルフェノール)を戦略商材と位置づけて取引拡大を図ります。手洗い洗剤の殺菌剤は今でも塩素系が多く使われていますが、欧米ではその環境への影響に対する懸念から規制が始まり不使用へ向かっています。その規制が日本にも波及する可能性があることから、いち早くより安全なものに置き換えようという動きが出始め、IPMPを大手トイレタリーメーカーの国内工場だけでなく海外グループ工場にも採用していただきました。IPMPは付加価値の高い商品なので今期、あるいは来期の収益に寄与するでしょう。

 もう一つの戦略は海外における日系企業を中心とした新規得意先の開拓です。国内取引実績のある顧客企業に対しては海外拠点での取引を目指します。国内に実績が無く海外で取引が始まった顧客企業とは国内取引開始を目指します。

 その結果、海外売上高比率は15年3月期の6.8%から16 年3月期は8.2%に増えました。将来的には新規得意先の開拓の範囲を広げ、現在のタイと中国以外にも拠点を置くことで20%程度まで高めることを考えています。

念願の200億円達成が視野に入った

――18年度を最終年度とする「中期3カ年経営計画」では200億円を越える連結売上高を目指しています。達成への手応えは?

藤原 昭栄薬品グループの売上高を再び200億円まで引き上げるという目標を達成するための原動力は海外市場になると見ています。そこでまず海外比率を10%程度まで高めることを目指します。17年3月期の売上高予想は191億9400万円(前期比4.3%増)で、この目標は達成できると信じていますが、国内の化学品の売上げは景気動向とほぼパラレルするため気を引き締めています。

――オレオケミカルの原材料の価格は海外の影響を強く受けると思うのですが、業績に対する影響は?

藤原 確かに東南アジアの天候、世界の景気、投機筋の動きなどの影響を受けて上下しますが、価格転嫁はしっかりできています。また為替相場の影響については円安に推移したほうが、国内生産の活発化につながるため、当社としてはありがたいですね。

――株主に対するメッセージと株主還元の姿勢を聞かせてください。

藤原 当社には「仕入れ先には信頼感、得意先には満足感、自分自身は責任感」という行動規範があり、この3つを社員が実践しながら成長してきました。上場した後も顧客目線を忘れずに「一番にお声がかかる選ばれる会社」として業容の拡大、利益の拡大に取り組みます。
 
 配当性向は20%以上を目標とし、内部留保と配当のバランスを総合的に勘案して決定していきます。
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